宮本輝『約束の冬』の中で、錦三郎氏の著書『飛行蜘蛛』について記した部分に誤りが
ありました。 〈著者は「蜘蛛の子が糸と風と上昇気流を利用して遠くへ飛び立つことに成功した例を自 分はついに見なかった」と書いている。最も遠くへ飛んだのは、たかだか七、八メートル であった、と。〉(上巻354頁)とあるのは事実誤認で、『飛行蜘蛛』の中にこのような記述はありません。「雪迎え」を 最初に解明した錦三郎氏は、飛び立っていく蜘蛛の様子を長年観察し、研究論文や著書を 発表しています。 よって、上巻354頁2行から355頁1行、上巻187頁5〜6行を削除します。 また下巻112頁12行から14行を、 「『飛行蜘蛛』っていう本がみつかりました。その方も、長い長い観察をおつづけになり、 誇張のない、とても誠実な観察記録をつけていらっしゃいました」 と改めます。 なお、蜘蛛が飛ぶ現象についての記述に、正確さを欠く部分がありました。上巻122 頁16行「あの蜘蛛が子供のころに」を「あの小さな蜘蛛が」と訂正、上巻118頁11行 「子供のころだけに限られています」、下巻361頁13行「生涯に一度だけ」を削除します。 また、文中の「蜘蛛の子」「蜘蛛の子供」を「蜘蛛」(注1)、または「小さな蜘蛛」(注2)と 訂正します。 故錦三郎氏と関係者の方々にご迷惑をおかけしたことを、謹んでお詫びいたします。 平成十六年ニ月
|
|||||
このページのトップへ↑ |